スペンサー氏は、「バイオテクノロジーは、広く普及しており、世界の食糧安全保障に大きく貢献している。また、農業が環境へ与える負担を軽減している。日本も農業におけるバイオテクノロジーの利用が世界的に普及し、かつ、拡大していることを認識してほしい。」と述べた。
米国と日本における農業分野でのバイオテクノロジー技術の利用について
バイオテクノロジーはきわめて有益な技術の集合体であり、医療、産業、農業などの分野において新たな素材や製品を開発するのに役立っている。
農業分野においては育種の過程で有益な遺伝子を選抜したり、遺伝子を直接、目的の作物へ導入するために使われたりしている。このような技術により、生産性の向上や環境負荷の低減、健康機能性の向上等の機能を持った遺伝子を作物に導入することが可能となる。
バイオテクノロジーは農家にとっての新たな生産手段の一つである。ある組換え体作物は除草剤耐性を持ち、農家にとっては雑草駆除をより簡単にそして効率的に行えるようになる。他にも病害抵抗性や害虫抵抗性を持つ作物などもあり、農薬の使用量を少なくすることができる。また、最新のものとしては、乾燥耐性を付与した作物や栄養成分を改良させた作物があり、現在、米国と日本で安全性の確認が行われている。
米国は増大しつつある食料、飼料、そして燃料の需要を満たすために、農業分野のバイオテクノロジーの利用は欠かせない技術であると考えている。米国国税調査局の予測によれば約60億人だった世界人口は2042年までに90億人に増加する。つまり、100年の間に地球上の人口は3倍に増えたことになる。このような人口の増加に伴い、魚、肉、乳製品の消費量が、特にアジア地域で増加する。また、世界の穀物需要は2050年までに倍に増加するとも指摘されている。
そこで問題はどのようにしてこの人口を養うか、である。我々の計算によれば、農業の生産性が伸びないとすれば、2050年までに新たな農耕地を16億ヘクタール開拓する必要がある。このような開発行為はきわめて微妙な環境のバランスによって成り立っている未開地の自然に壊滅的な打撃を与えるであろう。
組換え体技術を含むバイオテクノロジーは単に世界規模での食糧安全保障に寄与するだけでなく、人間が環境へ与える影響をできるだけ少なくする方法のひとつと言える。
米国は世界一の組換え体作物生産国である。そして、米国から輸出される組換え体作物と全く同じものを、米国内では3人のアメリカ人が毎日食卓に供しているのである。
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