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米国政府は、「和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン(案)」についてコメントを提出させていただく機会を持ちえましたことを農林水産省に感謝申し上げます。米国政府は、また、農林水産省がガイドライン(案)を作成する全過程において常に私たちに情報を提供してくださったことにも感謝します。私たちは、このガイドライン(案)が農林水産省が要請した食肉の表示に関する検討会の業績であり結果であるということ、またこれが牛肉及び豚肉双方の表示問題を扱っているということを理解しています。さらに、広く一般から意見を募るために、このガイドライン(案)が2007年1月10日に公表されたものであるということも承知しています。
牛肉に関して、米国は、このガイドライン(案)の目的及び今後の貿易に対する影響について数々の懸念を有しています。そのような懸念を、世界貿易機関(WTO)の最新の対日貿易政策審査を通じて、またその他数回に渡って農林水産省に伝えて参りました。
このガイドライン(案)の一つの役割は、輸入牛肉が「和牛」と表示されることを阻止するものです。特に、第VI章第1節第1項のAは、和牛と表示できる牛肉は、日本国内で出生し飼養された牛であることを要求しています。私たちは、ガイドライン(案)の定める要件を満たしかつ日本以外で飼養された牛もまた和牛と呼べると信じています。種畜の遺伝子は、日常的に世界中で取引され生産されています。食肉の表示に関する検討会の報告書は、オーストラリアや米国を始めとする海外でも和牛種の牛が飼養されていると認めています。同報告書はまた、豚のバークシャー種は本来英国原産であるが、現在では、日本や米国またその他諸外国においても飼養されているという事実を伝えています。従ってその意味するところは、日本の農家もまた、諸外国で開発された家畜品種の飼養を一般的な慣行として行っているということです。
農家がこれら特定の家畜品種の飼養に取り組む時、彼らは往々にして、自らの所有する家畜の純粋性を保護するため、また、消費者に対して彼らの飼養した家畜が純粋種であることを保証するため、品種登録制度を設けます。こういった取り組みは、どこの国でその家畜が生産されたかに関わらず、購入する肉の遺伝的特徴について、消費者に十分な保証を与えるものと私たちは信じています。
日本で飼養されていない和牛は和牛として表示できないという規定は、今後の海外の和牛生産を大きく阻害するものであります。なぜなら、潜在市場として日本が事実上除外されてしまうからです。純粋種の和牛は日本以外にも存在します。そして、それは、日本において和牛として自由に取引されてしかるべきものです。検討会で提起された和牛という用語に対する消費者の誤った認識等の懸念は、原産国表示のような他の既存の規定によって容易に対応することができます。従って、米国は、慎んで、農林水産省が最終的に公表されるガイドラインに第VI章第1節第1項のAを含めないよう要請します。加えて、家畜の品種登録に関する第VI章第1節第2項の@もまた、仮に不適切に運用されることがあれば、潜在的な貿易問題を提示するものとなりえると懸念しております。米国はまた、農林水産省が、この条項に海外の和牛品種登録機関も将来的に含めることを考慮されるよう要請します。私たちは、特に、日本が以下の質問事項について特別に配慮されるよう強く求めます。
・ どのような正当性を持った目的が、この規定案を実施することによって果たされるのでしょうか。仮にその目的が、虚偽行為あるいは消費者の混同を防止するためであるならば、日本国産でない牛肉を「和牛」として表示すると消費者を欺いたり混同が生じたりするという根拠が、米国には明確ではありません。なぜなら、和牛という用語は、地理的な起源というよりむしろ動物の遺伝的特徴を指すからです。私たちはまた、日本がすでに消費者の混同を軽減するために、日本国内で販売される牛肉には原産国が表示されなければならないという法律を制定していることを承知しています。 ・ 日本は、貿易を制限する可能性が少ない代案を考慮されたのでしょうか。そうであれば、それらはどういったもので、それら代案を不採用とした日本の理論的根拠はどういったものだったのでしょうか。 ・ 「和牛」という用語の使用を国産牛に限定するという規定案は、輸入牛肉は、日本国産牛より不利な扱いを受けることもありうるということを示しているのでしょうか。
結論
要約しますと、肉質、食感、味わいなど、和牛肉にその肉ならではの生産物価値をもたらすその特徴は、特定の動物遺伝的性質に由来するものです。和牛の遺伝的特徴は、地理的に制約されるものでもなければ、また、日本に限定されるものでもありません。日本はすでに、日本国内で販売される牛肉には原産国を表示するよう法律で定めています。和牛の表示を日本国内で飼養された家畜に限定するといういかなる規定案も、今後の海外の和牛生産を大きく阻害するものであり、貿易に否定的な影響を及ぼすものであると思われます。米国は慎んで、農林水産省が最終的に公表されるガイドラインに第VI章第1節第1項のAを含めないよう要請します。私たちはまた、農林水産省が第VI章第1節第2項の@に海外の和牛登録機関を含めるよう考慮されることをお願い致します。 英文の”U.S. Comments on Draft Japan Wagyu Labeling Guidelines”はこちらへ。 |